◤インタビュー◢ キャラが立ちまくったラッパー 凡度|言いたいことを容赦なく言っていくスタイル

ドラム師匠

毎週100本以上(!)アップされるHIPHOPのMVを厳選し、魅力を伝えます。
49歳 / 2児の父 / 元タワレコ店員 ➡︎ '17年12月〜Twitterで毎日レビューを書き ➡︎ '20年 1000レビュー達成 ➡︎ '23年12月 2000レビューを目指して邁進中!

当サイトにて、若手ラッパーを発掘・応援する目的で行われた【TOKYODRILL FREESTYLE 2023】。MV制作と音楽活動費 賞金10万円をかけて約50名の応募があり、その中からMV制作に3名が選ばれた。


 AKIRA / 凡度 / BEREAL


3人ともまだ知名度は高くないが、確かな実力と個性に溢れている。 


 今回ピックアップするのは、宮城をHOODとする個性派ラッパー・凡度(ぼんど)だ。硬い語感のラップには男気があり、ワードチョイスには人間臭さとユーモアがにじみ出ている。この記事は、スラムフッドスターから9月9日20時より公開されるMV「CHUNGHWA」の撮影前に行われたインタビューで、自身の強みや、クルーのこと、幼き頃に受けたトラウマなど語ってもらった。


ラッパー凡度のキャラクターが分かれば、より一層ラップが楽しめるのでチェックして欲しい。




凡度

X(旧Twitter):https://twitter.com/Bondo_YDKhimera
SoundCloud:https://soundcloud.com/k1jjbmaaudre


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◤インタビュー◢ 



ー ラップを始めたきっかけは何ですか?


凡度:もともとトラックを作っていて、ラップをしてくれる人がいないか探してたんですけど、なかなかいなくて。それなら自分でラップした方が早いと思って始めました。


ー 人前での初LIVEが、AbemaTV『ラップスタア誕生2023』AREA TRIALだったのはスゴいエピソードですね。



凡度:それまで作品をSoundCloudに上げてたんですけど、LIVEをしたことがなかったんです。『ラップスタア誕生2023』に応募した動画を見て、こいつ普段からLIVEしてると思われたんでしょうね。でも全然そんなことはなくて…


ー ははは ー


凡度:しかもお客さんの前じゃなくて、審査員(YZERR、ZOT on the WAVE、KOWICHI)の前ですよ。ありえんぐらい緊張をしました。


僕いまもそうですけど無名中の無名なので、そういう人を発掘する番組だと思ってたんです。 でも、僕の出番の1つ前の人は『高校生ラップ選手権』で優勝してたり、僕のあとに出たRK Bene Baby君はMVがめちゃくちゃバズってるし。僕が普段ストリーミングで聴いているようなラッパーが出てたので、"もう有名なんだから、お前ら出んなよ!"って思いました。


ー 確かにSpadasとか、Young zettonとかすでに多くの作品をリリースしてて、プロップスを得ている人たちが応募していましたね。


凡度:番組の収録が終わった後、帰りのエレベーターで一緒になったラッパーと 「今日は緊張しましたね」なんて言ってInstagramを交換すると、フォロワーが3000人いたりして。


ー お前もすでにスタアじゃね〜かって(笑)。会場ではラップをかませましたか?


凡度:リリックが飛ばないかすごい心配で、集合の1時間前から海の見える公園で練習してました。後からオンエアを見るとダメダメだったんですけど、その時できることはやったつもりです。


ー 後に、初LIVEがオーディションってのは武勇伝になりそうですね。


凡度:僕が有名になったら、審査員本人に「あの時は、めっちゃ緊張しました」って言いたいです。



▌自分の強み、は色々な音を受け取る力



ー 凡度さんのラップに話を移します。スラムフッドスターのMV応募動画から、生命力の強さを感じました。強さは意識していますか?



凡度:基本 負けず嫌いの性格なんで ゲームとかやっても"もう1回、もう1回"って勝つまでやり続ける性格です。わがままな部分が出てるのかなと思います。


人からは、"声が特徴的だね"と言われることが多いのです。でも自分の強みはそこではなく、色々な音を受け取る力だと思っています。


ビートを聴いて、一個一個の音の大きさであったり、組み込まれているメロディラインであったりハーモニーなど、音を受け取る解像度が高いと思います。


また音楽が大好きなので、お酒を飲んで脳みそがブチ切れるぐらいに盛り上がったり、曲を聴いて1人で泣いたりしています。そんな感じで音楽と関わっているので、様々な曲が作れています。


ー 確かに楽曲「One Time」ではブルージーなメロディを歌うなど、幅広く表現されています。そして、リリックには生活感がにじみ出ています。




凡度:僕は嘘をつくのが苦手です。駆け引きとか得意じゃないんで、思ったことを正直にリリックにしています。



ー 7月15日には、志茂田景樹さんをネイムドロップした楽曲「KAGEKI SHIMODA」をリリースしていました。彼の魅力はどのようなところでしょうか?



凡度:Twitter( 現 X )のタイムラインに志茂田景樹さんのツイートが流れてきて、いいなって思いました。小説も面白いし、「人生は90%無駄で、残りの10%が大事」て言ってて、適当にみえて物事の核心をついています。ある意味思考に無駄がないのが面白いです。


ー 今でもアウトローですもんね。


凡度:何がアウトローか定義は難しいですが、定職ついてない人はアウトローっていうか怪しいじゃないですか。自分もそうなってしまう予感がします。お世辞も上手く言えないですし、サラリーマンが向いてないです。早く音楽だけで生活ができるようになりたいです。


ー HIPHOPクルー " HYDRA " を結成したきっかけを教えて下さい。




Twitterで「ビートを送ってもらえれば、ラップします」と呼びかけたんです。僕が「ラップスタア誕生」に出場したこともあって、たくさんビートが送られてくるようになりました。


ー 「このトラックを使って下さい」という感じで送られてくるのですか?


凡度:そうです。送られてきたのが20曲以上になって、1人じゃさばけないってなって。それなら自分と同じぐらいラップを好きな人を集め、送られてきたビートで作品を出せたらいいんじゃないかと思ったのがクルー結成のきっかけです。


ー クルーのメンバーとクルー加入希望者が作品のカッコ良さを競い合う企画 ”Who is the "HYDRA"をされています。メンバーが入れ替わるというのは珍しいですね。


凡度:クルーに限らず集団を作ると、やっている人の熱量に差が出てくると思うんです。


ー どうしてもそうなりますよね。 ー 


凡度:やる気のない人は入ってこなくていいと言うか、 本当に一緒にやりたい人がいるなら、メンバーから1番ダサい奴を倒して入ってもらっていいという。それを繰り返していけば 本当にかっこいいラッパーだけが残るクルーになると思うんです。


ビートメーカーもこの人にラップして欲しいと思うと、気合の入ったビートを送るようになる。それを繰り返していくとラッパーもビートメーカーもいい刺激になり、カルチャーとして面白くなると思います。 


ー そこでドラマが生まれそうですね。今メンバーは何人ですか?ー


凡度:9人ですね。僕もちゃんと狙われるので、一所懸命やらないとなって思ってます。誰か挑んできて下さい!


ー 近日中にスラムフッドスターのMV撮影が予定されています。どのようなMVになる予定ですか? ー


凡度:中華料理の曲なんですけど、高級店というよりは町中華って感じです。そこでひたすら餃子とかをカッくらってるイメージです。




▼MV公開のタイミングで配信される新曲「CHUNGHWA(中華)」



▌僕もそんな悪魔みたいな奴になるかもしれなくて、抑えきれる自信がないんです


ー 9月にリリース予定のEPはどのような内容になりそうですか?




凡度:僕のルーツを見せつつ、言いたいことを容赦なく言っていくスタイルです。


ー ルーツとはどのようなものでしょうか?


凡度:僕の父親がDVをするタイプで、ベロベロに酔っ払った時、母親を拳で殴っていたんです。子供の頃は、父親のことをクズだなって見てました。でも遺伝子には逆らえないので、その血が半分自分にも流れています。


僕もそんな悪魔みたいな奴になるかもしれなくて、抑えきれる自信がないんです。 嫌だ嫌だって意識している時点で葛藤があるので、その気持ちをワーと吐き出すように歌ってます。


ー そんな過去があったのですね


凡度:父親に対抗するには暴力しかないんだろうな思い、高校で空手をやり始めました。そのおかげで強くなっているので、半分ぐらいはありがとうという気持ちです。 


ー いま親子の関係性はどうなっているのですか? ー


凡度:今は円満です。


ー EPは、どのようなトラックでラップするのでしょうか? ー


凡度:ジャンルはバラバラで、Trapやダンスホール系R&Bなどがあります。先ほど述べたDVの曲はトラップメタルになっています。 


リリックは、僕にしか言えない言葉があると思っていて、ひとクセあるところをビートに乗りながら感じてもらいたいです。 


ー どんなクセというかアクが出ているのか楽しみにしています。本日はありがとうございました。


凡度:ありがとうございました。 





interview & text by ドラム師匠



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