暗闇に微かな光をあてるラッパーS-kaineが、EP「Back to...」をリリース



端正な顔立ちにオゴることなくアンダーグランドに根を張る大阪のラッパー・S-kaine 。「Red Bull 韻 DA HOUSE 2022」で優勝するなど、MCバトルでは一目を置かれる存在だ。


3月4日にリリースされたEP『Back to...』は、新曲が2曲とRemix用にとそれぞれアカペラが入った珍しい構成だ。


MVになった1曲目「Back to...」は、DINARY DELTA FORCEやBLAHRMYを要する"DLiP RECORDS" のビートメーカー NAGMATIC がプロデュースしている。


芯がブっといドラムが首を振らせるドープなトラック。S-kaineは、世間の澱みを反映させるように声をダーティに濁らせる。夜になってから活動する夜行獣がごとく、生き生きとしたラップが印象的。それは陽の当たらない場所に微かな光をあてているようだ。


"スクラッチがカッコ良い曲に、駄曲なし"

という言葉の通り、DJ BUNTAとDJ DON-8のスクラッチが冴える。


2曲目の「Eardrum quest (feat. SEDY NEZZ)」もNAGMATICがプロデュース。左右でドラムをパンさせる微妙なズレが空間的な拡がり演出。S-kaineがJuda名義で1st EPをプロデュースした京都のフィメールラッパー SEDY NEZZ をフィーチャー。日本的ともアジア的とも言える独特の節回しで、幽玄な世界へと誘われる楽曲に仕上がっている。



Text by ドラム師匠





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