真のギャングスタラッパー・SATORUのアルバム『DRILL KING』の魅力に迫る!!


SATORUは1997年ブラジル生まれの新進気鋭なギャングスタラッパー。3歳の頃に母親と一緒に日本に来日し、中学生の頃にYoutube動画を通じてAK-69の動画に出会いってからヒップホップミュージックシーンに傾倒していく。同時にweedを吸うことを覚え、暴力団の手下や足利の80人から構成されたギャンググループC.M.D13のNo.3のメンバーとして手下を抱えて悪事を繰り返していた。刃物で太腿を斬られたり、スミノフの瓶でしばかれた経験に2度の逮捕経験を含む壮絶な人生を潜り抜け、今『DRILL KING』という挑戦状をこの世に叩きつける。

※Drill(ドリルミュージック)とは2010年代初頭にシカゴのサウスサイド(南側)を起源に始まったヒップホップのジャンル。


『SATORU HURRICANE』

4つの曲で構成されたアルバムは『SATORU HURRICANE』という曲で始まる。タイトルの『SATORU HURRICANE』はSATORUが嵐の如く現れ、8人の仲間をボコボコに殴り去った『SATORU HURRICANE事件』からつけられたのだろう。ダークな曲のスタートが既にギャングスタラップの王道的なイメージを醸し出し、歌詞に何度も出てくる「足利」という土地で過ごしてきた思い出や悪事を犯し、全力で逃げ切る生と死の狭間の緊張感が曲、歌詞とSATORUの魂の叫びが聴こえる1曲目に相応しいチューン。


『DRILL KING』

2曲目は貧困家庭で育ったフェアじゃない世の中から自力で這い上がることや工場地帯の栃木県足利エリアでのリストラや貧困生活を真っ直ぐに歌詞にした曲。ギャングスタラップらしいダークなメロディーに変則的なリズムやグリッチ、スクラッチなどのサウンドが何層にも折り重なって曲の骨太感と奥行きを見せている。英語と日本語の混ざり合うリリックの中盤あたりでの韻の踏み方を含めてアルバムタイトル『DRILL KING』として相応しい、男心を燻る、FU*KIN’ DOPE(めちゃくちゃかっこいい)なイカしたラップだ。


『Festa』

3曲目はギャングとしてのライフスタイルの中でも特に草を吸いながらのBitch(アバズレ)とFu*k(かます)することを歌詞にした1曲。悪さから大金を手にし、ブランド品を身に纏いながらキマった状態で適当な女と交わるギャングスタ的サグライフ(ギャングスタの生き様)をありのままリリック(歌詞)にしている。メロディーからは悲壮感も感じられるが、そこをお構いなしで突き進んで行くのがギャングの生き様である。その性描写のあまりの生々しさがこのアルバム『PARENTAL ADVISORY』の表示がつけられているところだろう。


『GANGSTAR』(Remix)

最後となる4曲目を飾る『GANGSTAR』は横浜出身、高校生ラップ選手権を機に数々のMCバトルのbeefで戦ってきた楽曲『Do it』で有名な若手ラッパー9forをゲストに迎えた1曲。フック(サビ)のI just do itのフロー(流れ)やリズムが仕上がっていて、多くの貧困層から抜け出す為にストリート(路上)で奮闘している若者に対するエールとも取れるこの曲は聴き手の生きることへのモチベーション(動機)を高めるのだ。


『DRILL KING』は4曲のアルバムだが、SATORUの自己紹介的に生き様を示した『SATORU HURRICANE』、工場地帯足利の荒んだ生活から自力で這い上がることの強さを示した『DRILL KING』、草でキマった状態でのセックスをテーマにした『Festa』、ストリートライフから生み出されたアガる1曲『GANGSTAR』から構成されているDopeなリズムとリリックはヘビロテしたい。HIP HOPファンのブラザーやシスター達も皆、チェケラ!!

※DOPEとはヒップホップスラングで「イカした」という意味。




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